『付き合ってない、たぶん』上
蓮は乱暴に袖で涙を拭うと、一歩だけベッドに近づき、俺の枕元に小さな革製の白い箱と、一通の手紙をそっと置いた。
「……これ、ずっと前から、お前の誕生日に渡そうって決めてたんだ」
蓮の大きな手が、最後に一度だけ、愛おしそうに俺の頭をガシガシと、だけど壊れ物を扱うように優しく撫でまわした。
手のひらから伝わる、いつも通りの熱い体温。
「春。17歳、誕生日おめでとう。……世界で一番、愛してる」
それが、エースが最後に残した、不器用で、重すぎるほどの愛の言葉だった。
「……これ、ずっと前から、お前の誕生日に渡そうって決めてたんだ」
蓮の大きな手が、最後に一度だけ、愛おしそうに俺の頭をガシガシと、だけど壊れ物を扱うように優しく撫でまわした。
手のひらから伝わる、いつも通りの熱い体温。
「春。17歳、誕生日おめでとう。……世界で一番、愛してる」
それが、エースが最後に残した、不器用で、重すぎるほどの愛の言葉だった。