完璧な三神くんは、愛だけがわからない。
彼女たちはきっと、三神くんの隣に私がいておもしろくないのだろう。ニタニタと薄気味悪い笑みを浮かべ執拗にこちらに絡んでくる。終いには、パシャリ、とカメラを向けてくる。
「サングラス、とってもらっていいですかね」
肌の上を視線が這うたびに、ぞわりとした不快感が広がっていく。
「ちょっと」
と声が出たのと同時。私をかばうように三神くんが言葉を発した。
「――本当気持ち悪い、失せろ」
低いテノール声。顎を突き出し、相手を見下す。怒り。
「……」
女達は、本気の怒りに触れてしまったことに驚いたのか、一言も交わすことなくその場から立ち去った。
