隣の席の佐竹くんには…
第13章 告白日和
球技大会三日前の放課後。
半ば強引に七恵に科学室へ連れてこられた。
消毒液の匂いと、夕方のオレンジ色が混ざった空間で、
七恵は鞄からポーチを取り出した。
「こんなとこで何すんの?実験?」
「実験という名のメイク」
「はっ?」
意味がわからないという顔をしている横で、七恵はやる気満々の様子でメイク道具を持っている。
「今日は部活ないし、今しか梅にメイクする時間がないからさぁ」
「いや、だからなんでメイク…」
「梅さ、ここ何日かずっと怖い顔になってるの気づいてないでしょー」
えっ。
そうなの?
思わず指摘された顔を手で触れる。
思い当たるとしたら…
松野さんのあの態度だな。
特に体育の時間になると、あの時のことを思い出してはムカムカしていた。
「だから、メイクで表情を明るくさせたら気持ちも明るくなるでしょう!」
「特殊メイクでもする気なの?」
「ふふふふ…」
え、怖いんだけど…。
ジリジリと近づいてくる七恵に、体がこわばる。