隣の席の佐竹くんには…
桜井さん、傷ついただろうな…

ライトがなんとかしてくれてたらいいんだけど…。

(オレが…リナちゃんにしたことと一緒だ…)

あの時、こんな風に見えてたのか…

この状況が、あの時の自分と重なって、心が痛くなった。

「じゃ、じゃあさ…。桜井さんがさっくんを奪おうとしてたって話は…」

「え…、違うの?嘘ってこと?」

「え。どういうこと??」

次第にざわつき始める女子たち。


…そうだ。

こうなったのも、彼女がいるって嘘が要因になっているんだ。

オレのためにライトがついてくれた嘘だけど、これはちゃんと説明しないと…

(今、オレが止めないと…)

そう思い立って、ギュッと拳をつくる。

「あのさ、そのことなんだけど…」
「佐竹さん」

先程まで大人しかった松野さんが話を遮ってきた。

「大丈夫です。その先は、私が伝えます」

そう言って、松野さんは女子たちの前へと足を進める。


…ん?

「松野さん?」

言動の意味がわからず、ただ見ていることしかできない。

松野さんは、女子たちに堂々とした表情を向けて言う。


「佐竹さんの彼女っていうのは、私なんです」


………???


「「「「…えっ!!!」」」」

女子たちの声が見事に重なった。
< 197 / 315 >

この作品をシェア

pagetop