隣の席の佐竹くんには…
♦︎佐竹side♦︎


「佐竹さん、食べてみてください!」

あれから松野さんは、ことあるごとに教室へ来るようになった。

お昼休みは、決まってお弁当を持って来ることが日課になりつつある。

作ってきたというお弁当を差し出しながら、松野さんが目をキラキラさせて見つめてくる。

「今日は唐揚げを作りました」

「…この鶏、松野さんが仕留めてきたの?」

「もうっ、違いますよー!スーパーで買ってきたんです。佐竹さんたら面白いこと言いますね!ふふふ」

面白いこと言ったつもりないんだけどな。

松野さんは、フォークで唐揚げを突き刺すと、それを口元へ運んできた。

「…自分で食べれるから」

「ふふ。恥ずかしがらないでくださいよ」

ふぅ…と、心の中で息をつく。

食べているのに、なにも満たされない。

味も感じない。

ジワジワと毒が回っていくみたいだ。

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