隣の席の佐竹くんには…
看板班で勝手に方向性を決めて、それを木内さんに相談すると「面白いじゃん!」とあっさりと採用され、本格的に看板作りが始まっていった。

準備は主に、決められた授業時間内と放課後のみ。
美術部で絵の得意な石川さんを中心に、大きい紙に下書きをしていく。

「石川さん、やっぱ上手いね」

「ありがとう梅沢さん。杉本君が追加したサブタイトルどうする?書く?」

「書かなくていいよ」

その一言で、その場に笑いが起きる。

石川さんまでイジるようになってきてない?

でも、佐竹君の表情に硬さがなくなってきてるから、別にいいけれど。

作業中、思い出したように杉本君が言う。

「そういやオレ、写真部の方でも準備あるから、看板作り手伝えない時あるかも」

「あ、私も。美術部で部員全員の合作の絵を仕上げないといけなくて…」

続いて石川さんも申し訳なさそうに言う。

「そん時は、梅沢と佐竹で作業お願いな」
「う、うん」

うそでしょ!と、思いながら佐竹君に視線を送る。

佐竹君は、一度目を逸らし、考えるような素振りを見せてから視線を合わせてきた。

「その時は…頑張ろうね、梅沢さん」

「…うん!」

まだ少しぎこちなさは感じたけれど、佐竹君から声をかけてくれた。


……それだけで充分だった。

自然と笑みが溢れた。

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