隣の席の佐竹くんには…
教室内には看板班が使った絵の具や新聞紙などが、端の方に雑に追いやられていた。

昨日、みんなで呪縛垂らしをした映像が脳裏で再生される。

今、思い返すと…
大胆な行動しちゃったな…

完成した看板を汚してしまった時の、佐竹君の顔が青ざめていたから、どうにかフォローしたくてとった行動だった。

杉本君も石川さんものってくれて助かったけど。

だけど…どうしてあの時、佐竹君は手元が狂ってしまったんだろう?

なにか考え事でもしてたのかな?

…なんて、考えたところで仕方ないけど。


散らかった新聞紙を集めていると、

「あ、梅沢さん」

佐竹君が学習室へ入ってきた。

「あれ?杉本は?」

「写真部のほうに行ったよ」

「そっか。石川さんも美術部のほうに行くって言ってた。後片付け一人でさせてごめんね」

「大丈夫だよ。今、来たところだから」

ガサガサと新聞紙を集める音だけが教室に響く中、再びあの光景が思い浮かんで、フッと顔がにやける。

「呪縛垂らし面白かったね」

そう言って、クスクスと思い出し笑いをするけど、隣にいる佐竹君からは何も反応がない。


…あれ?
反応薄い…?


少し不安になって、顔を佐竹君のほうに向ける。


どこか複雑そうな表情の佐竹君と目が合った。

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