隣の席の佐竹くんには…
…—そんな中、店内で調理ブースの女子たちのヒソヒソと囁き合う声が、楽しげな空気の中に混ざる。
「…あれ、どう思う?」
「あー…松野さん?ちょっとヤバイよね」
「自分だけ目立つ衣装着てさ。あそこまでやると、だいぶ痛々しいよね…」
「まあ、似合ってるけどさ」
フォローの言葉も、どこか引っかかる。
クラスの他の女子たちが、動きやすさを重視した軽めな姫衣装に身を包んでいるのに対し、松野だけが、その場に不釣り合いなほど甘い装い。
「てかさ、魔物をコンセプトにしようとか、ぶっ飛んだこと言い出したときビックリしたんだけど」
「そうそう!さらわれた姫を、勇者が助けに来る…みたいな設定ゴリゴリに推してきてさ」
「ツッチーが、それなら“探究・冒険”ってコンセプトでクエスト形式にしようって、上手く軌道修正してくれたから良かったけどね」
遠巻きから刺さる視線に、松野は全く気づかず終始ご機嫌な様子。