隣の席の佐竹くんには…
「えっ…」

ガヤガヤと賑わう声の中だったけど、何かがプツリと切れたような、低い声がたしかに耳に届いた。

声をなぞるようにゆっくりと視線を佐竹さんに向けると、そこには苦しそうに顔を歪めていた。

喉の奥が、ヒュッと小さく引きつった。

「どれだけ松野さんの言う通りにすれば、満足してくれるんだよ!?」

「えっ…あの…」

「いつも自分のこと優先で、オレのこと全然見ようともしてくれない」

「そ、そんなことは…」

「オレにだって、気持ちがある!」

「っ……!」

叫ぶような佐竹さんの声に、その場の空気が、ピリッと張り詰める。

通りかかった生徒たちが、何事かと足を止めていた。

感情を爆発させた佐竹さんの姿に、不安と恐怖で言葉が出せない。

「これ以上、オレの気持ち無視されるなら……」

佐竹さんが、苦しそうに息を吐く。

「……松野さんのことを恨みながら生きることになる」

「えっ…」

「……それでもいい?」

「……っ」

グラッと視界が歪み始める。

佐竹さんは、それ以上何も言わずに、リナのいる方へ歩いていってしまった。

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