隣の席の佐竹くんには…
リナちゃんは、少し驚いたような顔を見せてから、苦く笑う。

「酷い嘘ついてたのに怒らないんだね?」

「怒らないよ。あの時、オレが違う受け取り方ができていれば、こんなことにはならなかったんだから。…気になってた子の言葉を素直に受け取れば良かった話なんだ」

「えっ…。気になってた子って…」

目を見開くリナちゃんに、苦く笑う。

「オレ、あの頃リナちゃんのこと気になってて……好きだったんだと思う」

リナちゃんがよくオレに話しかけてくれて、いつも笑ってくれて…

気づいたら、リナちゃんのことを目で追っていた…そんな記憶を思い出す。

あの頃の大事な思い出。

「だから、可愛いって馬鹿にされてたんだって思ったら余計にショックで…」

「そっか…。あの時、もう少しちゃんと話せば良かったんだね」

「そうかもしれない…」


少しの間を置いて、リナちゃんが「あーあ…」と気が抜けたような声を出した。

「なんで今、言うかなぁ。それ、あの時に聞きたかったのになぁ」

その言葉に、笑いと苦さが混じった。

「ホント、今更だよな…」

「…でも、あの時の気持ちが報われたからいっか」

そう言って、イタズラっぽく笑うリナちゃんに救われた気持ちになった。


サァッと風が吹く音が耳を掠る。

いつもより穏やかに感じた。

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