隣の席の佐竹くんには…
松野さんに背を向けた瞬間、肺を覆っていた重苦しい鉛が溶け落ちたようだった。

誰かに合わせるための歩幅、誰かの顔色を伺うための速度。

そんなものはもういらない。

「呪縛」の言葉も、過去の罪悪感も、鼓動と一緒に後ろへ投げ捨てていくように駆け抜けた。

賑やかな声の中をすり抜けていく中で、自分の呼吸音しか聞こえなかった。


…早く、言葉にしたい。

(今すぐ梅沢さんに想いを伝えたい…)


その衝動だけが、体を突き動かしている。



今、初めて自分の足で走れてる気がした。

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