隣の席の佐竹くんには…
♢♢♢


モンスター化したテルは、あの一瞬だけだったけれど。

今、隣で歩いてるテルに、なんとなく拘束されているような気がするのは気のせいだろうか?

「ねぇ…ここ、さっきも通ったよ」

「あれ?そうだっけ?」

そう言って、さっき買ったかき氷を食べながらおどけるテルに、軽いため息をつく。

「…私、テルの気持ちに答えることができないのに、こうやって一緒にいるのはやっぱり違うと思うの。だから…」

「それでもいいんだよ。オレは、今、好きな人の身の安全を守るために勇者になってるつもりだから」

「ん?どういう意味…?」

途端、立ち止まるテルに、思わず倣う。


「…ミャーちゃん。さっきは、怖がらせちゃってごめんね」

「えっ?」

顔を合わせると、テルは少し切なそうに笑った。

「ミャーちゃんを助けに来たみたい」

「なに…?」

言葉の意味が理解できていないまま、テルに背中を押され、前方によろけた。

同時に、名前を呼ぶ声が届く。

「梅沢さん!」

…え?

こっちに向かって走ってくる佐竹君の姿に、戸惑う暇も与えられないまま、気づいたら手を引かれていた。

「さ、佐竹君…?」
「ごめん。来てほしい」
「え…?」

答える事もできないまま、佐竹君に引かれたまま走り出した。

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