隣の席の佐竹くんには…
オレンジ色だった空は、すっかり群青に変わり始めていた。
そこに目を向けながら、さっき買ったミルクティーを一口飲むと、ちょうど体に馴染むような温度になっていた。
「そういえば、リョウガとはどこで知り合ったの?」
「んー…オレが橋の上でボーッとしてた時に、リョウガ君が声かけてきて」
リョウガならしそうだな。
気になった人がいると、構わず声をかける子だから。
「その時…オレ、ちょっと精神的にきてた時でさ、それで色々と話し聞いてもらったんだよ。自分のこととか梅沢さんのこととか」
「そうだったんだ…」
まさかリョウガが佐竹君の相談相手になっていたとは…。
ちょっと、悔しい。
「でも、まさか梅沢さんの弟だとは思わなかったから、結構…いや、ほぼ全部ぶちまけちゃってる…」
リョウガとのやり取りの事を思い出しているのか、佐竹君の表情が次第に、焦りと恥ずかしさを混ぜたような複雑な色を見せる。
「どうしよう…。オレの事情がリョウガくんに筒抜けだよ。なんか色々なことが恥ずかしすぎる。穴があったら入りたいってこういうことなんだな…」
両手で支えているコップの中に、本当に入りたいのかと思うくらい、恥ずかしそうに顔を俯かせている佐竹君。
公園にある街灯だけではわからないけど、きっと顔は真っ赤に染まっているんだろうな。
(照れている時の佐竹君は、可愛い)
……あぁ、ダメだな。
自分に素直になっている佐竹君の姿を見ると、どうしても『可愛い』と思ってしまう。
佐竹君には、思ったことがあったらちゃんと言ってね、なんて言ったくせに…自分のこの感情は隠そうとしている。
別に、全てを話す必要なんてないんだろうけど…
でも、このまま自分の感情を隠しながら佐竹君と過ごしていくのも、なんか違う気がする…。