隣の席の佐竹くんには…

第5章 佐竹の過去

……油断した。

まだライトとは気まずいのに。

しかし、バッチリと合っている目を逸らすわけにもいかず、

「あのさ…ちょっと手伝ってほしいことがあるんだけど」
「嫌なんだけど」

思わず拒否してしまった。

やってしまった…。

口元を押さえて視線を逸らす。

そんな様子に、ライトは気の抜けたようにフッと笑う。

「手伝ってほしいってのは口実でさ。ちょっと話したいことがあんだけど、ここじゃ話しづらいからー…」

「告白ですか?」

「ちがうわ」

「冗談だってば」


…良かった。

いつもの調子で会話できてる。



そうして、教室から少し離れた多目的室に連れてこられた。
入ると、そこにはテーブルに大量の紙の束がいくつも積まれていた。

「ほいっ」と当たり前のようにホチキスを投げてきた。

「…なるほど」

「察しいいな」

ライトは椅子に座ると、束になった紙の端をホチキスで止め始めた。

仕方ないというように、椅子に腰掛け、ホチキスを動かす。

「これ、悪いことでもした罰なの?」

「ちがうわ。オレ生徒会で副委員長やってん」
「えっ?」

言い終わらないうちに遮った。

「オレ生徒会の副委員長やってて、それの雑用してんの」

ライトが副委員長って…

「面白い冗談ね」

「冗談じゃねぇし。見た目で判断すんなよなー」

うっ…。
そう言われてしまうと何も言えない。


話を聞くと「成績が上位って理由で決められた」とのこと。

金髪頭の副委員長って個性的すぎでしょ…。

学校側の考えとして“我々は外見では判断せず、中身で判断します”的な意図があるのだろうか。

「……」
「……」

パチン…

パチン…

沈黙の中、ホチキスの音だけが部屋に響く。

パチン…

パチン…


…って、普通にパンフ作りに没頭しちゃってるけど。

話したいことがあるって言ってたのに…


まさか、手伝って終わりとかいうオチじゃないよね?
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