隣の席の佐竹くんには…
なかなか切り出してこないライトに、「…で、話とは?」と切り出してみた。

「あー…、うん」

ライトは数秒ほど少し悩むように顔を俯かせた。

その様子から、軽い話じゃないと悟る。

…もしかして、話すタイミング伺ってたのかな?

急かさないほうが良いと判断して、とりあえず手元を動かすことにした。


「……オレ、小学生の時よくいじめられてて」

「え?」

急に聞こえたその話の内容に、思わず手が止まる。


ライトが……?

そんな過去があるなんて、今のライトからは想像できない。


誰にでも一つや二つ言いたくないことはある。

それは、よくわかる。

「無理に話さなくていいよ」

「や、聞いてほしい」

ライトの表情を伺ってみると、そこには覚悟のような色が見えた。

そして、ライトは小学校時代のことを話してくれた。


自分がいじめられていたこと。
それをいつも助けてくれたのが佐竹君だったこと。
見た目を変えて自信がついたこと。


……だから、見た目にこだわっていたのか。


そこまで話し終えると、「恥ずかしいよなー」と情けなさを出して笑うライト。

そんなことない、と答えるように首を振ってみせた。


きっと、話したくないことだったはず。

だから、これ以上深く探ってはいけないことはわかってる。


でも、ライトの過去を知ったのと同時に、一つの“知りたいこと”が浮かんでしまった。


「…どうして佐竹君も変わっちゃったの?」


話したくないことを無理に話さなくていいだなんて言ってた人間が、聞き出そうとするなんて矛盾してる。

さっき自分で言ったばかりなのに…。


でも、知りたかった。


ライトは、自分の過去の続きをゆっくりと話し始めた。
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