隣の席の佐竹くんには…
その日、大川とすれ違うたびに『ミツコ』とからかってきた。

それを面白がってからかってくるヤツも出てきた。

そのたびに、佐竹の代わりに言い返していたけど、『もう相手にしなくていいよ』と制されてしまった。

『言われっぱなしじゃ悔しいだろ』

『こっちが反応するから面白がるんだよ。勝手に言わせておけば、そのうち飽きるよ』

『だけどさー…』

モヤモヤした気持ちをぶつけているところに、後ろから声がかかる。

『佐竹君』

振り返ると、昨日の女子三人のうちの一人が立っていた。

少し佐竹がたじろぐ。

『…なに?』

『あのね、これ佐竹君に渡してって頼まれて』

そう言って、折り畳まれた小さいメモ用紙を佐竹に渡すと、女子は楽しそうな顔を浮かべて去っていった。

渡された紙を佐竹と確認すると、そこには“放課後、裏庭に来てください。リナより”と書かれていた。

『呼び出し?』

(異性を呼び出すっていったら…告白か?)

こういう時、嬉しかったりするもんだと思う。

でも、佐竹は文章を読むなり顔色を曇らせた。

『…今度はなに言われるんだろう』

昨日の言葉が相当堪えたんだろう。

佐竹の不安そうな声に、
胸がギュッと締め付けられる。

『オレが代わりに行って聞いてこようか?』

『…いや、いいよ。それだと逃げてるみたいで嫌だから』

『そう…か』

リナにどんな意図があるのかは知らないけど、もし佐竹に余計な事いったら黙ってられない。
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