軍医と傷読みの花嫁 ~閉じこもり薬師は、傷もちの旦那様に愛される〜



 客を見送った後、凪は店の外へ飛び出し、将臣の医院をまっすぐに見つめた。
 相変わらず、患者たちで溢れかえっている。
 ザッ、と土を踏みしめる音。
 気がつけば、自分の足が迷いなく一歩前へ踏み出していた。
 凪の瞳には、もう何の翳りも迷いもなかった。

(私は、傷は読める──でも)

「あなたの心は読めていませんでした」





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