めじるしチャームの怪
大樹が驚いてのけぞる。
「あの噂は本当だったんだ! よかった、これでお母さんも退院でき――」
喜ぶ陽太の手からウサギのめじるしチャームを奪い取った。
「へへっ。これは俺のものだ。これで俺の願いは叶うんだ!」
「航ちゃん、今までの話聞いてた? 陽太はお母さんの病気を治すために」
「だからなんだってんだよ! 俺が欲しいって言ったら俺のものなんだよ!」
なまいきにも俺に説教し始めた大樹の頭に拳を落として黙らせると、陽太へ向けてニヤリと笑った。
「陽太くん、俺のためにありがとう。な!?」
「で、でも、めじるしチャームの噂には続きがあって……」
「うるせぇ! そんなものどうでもいいんだよ!」
グズグズと文句を言い始める陽太を黙らせて、歩き出したのだった。