めじるしチャームの怪

じたばたを両足を動かしてみてもヘドロが絡みついてくるばかりで浮かべない。
数年前の大雨で50代の男の人が用水路に落ちて死んだというニュースを思い出して血の気がひいていく。
「嘘だろ、こんなところで死ぬなんて」
ずぶずぶとまるで底なし沼のように沈んでいく体を止めることができない。
「誰か! 助けてくれ!」
大声を張り上げても行きかう車の音にかき消されてしまう。
焦りで汗が溢れだす。
「誰か!! 誰かいませんか!?」
叫び続けているとランニング中だった男の人が覗き込んでくれた。
「キミ、大丈夫か!? すぐに助けるからな!」
男性に助け出されたとき、用水路の中に割れたキチンのめじるしチャームが落ちていることに気が付いた。
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