めじるしチャームの怪

「一気に不幸をかぶる?」
聞き返すよ陽太が微笑んで、歩道橋の下を指さした。
「そう。例えばここから落ちるとか。特大の不幸を経験すれば、ジワジワと痛めつけられるような不幸は訪れない」
「ここから落ちる!? 何言ってんだお前。死ぬだろうが!」
今は通勤ラッシュの時間だ。
歩道橋の下には沢山の車が行きかっている。
「そっか。じゃあ、残念だね。次々降りかかる不幸を我慢するしかないね。不幸がエスカレートしていかなければいいけどね」
陽太が心底残念そうな声で呟くのを聞いて、ゴクリと唾を飲み込んだ。
もしも今以上の不幸が降りかかってくれば、それこそ命に関わるかもしれない。
「あ、今なら落ちても赤信号で車が止まってるね。ほら、下を見て。あの白い車のボンネットに落ちれば怪我も少なくてすむんじゃないかな?」
陽太がいう通り、今車は止まっている。
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