めじるしチャームの怪
苛立ちが募ってきた放課後。
僕は誰よりも早く昇降口へと向かっていた。
日中はお母さんが仕事に出ているから、妹たちだけで留守番している。
早く帰ってやらなきゃ、また前みたいに大泣きされる。
そう思って大急ぎで昇降口を抜けようとしたそのときだった。
視界の隅にあの青い傘が見えた。
誰も持って帰らない、忘れられた傘。
僕は一瞬周りを見回して誰もいないことを確認した。
そして青い傘に手を伸ばして、めじるしチャームを掴んでいた。
後は考えている余裕なんてなかった。
素早くめじるしチャームを傘の柄から引き抜くと、ポケットに入れて昇降口を出たのだった。