先生と、時々涙雲
「それで、なにがあったの?」
「もう…わたしどうしよう」
明らかに腫れている私の目を見てすぐに気づいてくれた唯。
さっきの廊下での坂田さんとのやりとりを、説明すると。
「ほらねやっぱり!
こんなにあかりのこと泣かせて…坂田絶対に許さない!!」
「あ、ちょ、唯!もういいの、ありがとう」
立ち上がった唯を一旦椅子に座らせた。
「でもさ、あかりが大声でそんなこと言うなんて、成長したね〜♪」
「周りに誰もいなかったからよかったんだけど…思い出すだけで恥ずかしいよぉ…」
「でもさ、そのおかげで坂田も諦めついたわけだし、すばるも喜んでるよ!絶対!」
「そ、そうかなぁ」
一件落着した私たちは
お昼休みにお菓子パーティーを繰り広げた
「おーい!食い過ぎだぞー」
そう言って教室に入ってきたのは
わたしの大好きな先生
「なに〜すばるも食べたいの?
…あっ食べたいのはお菓子じゃないか〜♪」
小声で先生にこそっと呟く唯の言葉に
先生の顔はゆでダコのように真っ赤。
「……こら!からかうんじゃない!まったく!」
わたしは嬉しくなって自然と微笑みが溢れる。
「藤花と浅香、ちょっと職員室きてくれ」
先生に呼び出された私たちはお菓子の箱をささっとしまって職員室に向かう
「私、いる必要ある?」
唯は誰もいない職員室を見渡してそう言った。
「2人きりだと……またなんかあったらまずいだろ。」
「わたしはカモフラージュってことね、了解♪」
先生は自分のカバンの中から個包装の小さな袋を取り出した
「はい、これ!藤花に」
「???
開けてもいいですか?」
個包装の白い袋は何が入ってるかは見えなくて
「おう!」
先生の一言で、袋を開いた。
「お守りだ〜!」
『合格祈願』とかかれたピンク色の小さな鈴のついた可愛いお守り。
「先生!!ありがとう!嬉しい!!」
「そんなに喜んでくれるなんて、想像以上のリアクションだな!」
先生を見つめながら満遍の笑みがとまらない中、少しだけ先生の顔が曇りがかった。
「……坂田のことだけど、ごめんな。藤花に嫌な思いさせて。」
「全然、大丈夫だよ!
そんなことより、すっごく嬉しいっ!」
「……そうか、ならよかった。
もうすぐ試験だろ?これ持って頑張ってこいよ!」
「はい!!」
気分ルンルンで、教室に戻る私たち
坂田さんのことなんてすっかり忘れちゃうくらい。
「あっかり〜よかったねぇ♪」
「嬉しすぎて、一生大切にする!」
「ふふっ、試験頑張ってね!」
先生にもらったことが嬉しくて
いつでも思い出せるように
さっそくこのお守りを筆箱につけた。