リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
「壮志さん、おはようございます」

約束の木曜日、優香はミントグリーンのチュニックにライトグレーのクロップドパンツを合わせ、髪はローポニーテールに結ってマンションのエントランスに下りた。

「おはよう、優香。今日は一段と可愛いな」

車のドアを開けて壮志が微笑む。

「壮志さんも、かっこいいです」

アイボリーのトップスにネイビーのノーカラージャケットを羽織り、ブラックジーンズを履きこなした壮志は抜群にスタイルがいい。

(壮志さんの腰の位置が、私の胸くらいまでありそう)

隣にピタリと寄り添って見比べていると、壮志がクスッと笑う。

「どうした、優香。なんで俺にくっついてる?」
「あっ、ごめんなさい。なんでもないです」
「可愛いからい手を繋いで歩きたくなった。けど、さすがに千葉までは遠いなと思って」
「ふふっ、それはそうですよ」
「じゃあ乗って」
「はい」

笑い合ってから車に乗り込み、走り出すと優香は斜め掛けにしたバッグからボトルを取り出した。

「ホットコーヒー、よかったらどうぞ。あとね、今日は何を作って持って行こうか散々迷ったの。マフィンにしようかパウンドケーキにしようか、それともクッキーにしようかって」
「へえ、全部食べたいな。それで? 結局何を作ったの?」
「スティックタイプのニューヨークチーズケーキ」
「ええ!? まさかの斜め上! めちゃくちゃ美味しそうだな。早く食べたい」
「もう? じゃあ、はい、どうぞ」

クッキングシートを半分巻いてある細長いチーズケーキを差し出すと、壮志はチラッと横目で優香を見てから視線を前に戻して言う。

「運転してるから、手が離せないなあ」
「え?」
「大事な大事な優香を乗せてるし、片手運転はできないなあ。でもチーズケーキは今すぐ食べたいし。困ったなあ」
「……壮志さん、ひとり言にしては大きいし、芝居がかってません?」
「優香は優しいからなあ、きっと食べさせてくれるよな」

もう……と呆れてから、優香は壮志の口元にチーズケーキを近づけた。

「はい、あーんして」
「可愛い、あーんだって」
「壮志さん!」
「ごめんって」

壮志はパクッと優香が手にしているチーズケーキをひと口頬張る。

「うん、うまい! しっとりしててなめらかで、底の生地が俺の好きなサクサク食感」
「あ、壮志さんもサクサク派? 私もサクサク生地が好きなの」
「おお、気が合うな俺たち」

そう言って壮志はもうひと口パクリと頬張ると、そのまま優香の指にチュッとキスをした。

「ひゃっ、あの」
「ん? どうかしたか?」

絶対にわざとなのに、と優香は唇を尖らせつつ「何でもありません!」とそっぽを向く。

壮志がまたおかしそうにクスッと笑った。
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