リーガル・ラブ〜イケメン弁護士はお堅い彼女のハートを盗みたい〜
二人がこの先も一緒にいるには
旅行から帰ったあとも、二人の交際は順調だった。
優香は「たまには女同士で飲まない?」と夏希に誘われて、お互い17時上がりの日に食事に行くことにした。
「今夜は真面目な話をしたいから、居酒屋じゃなくてイタリアンにしよう」
「いいけど、なあに? 真面目な話って」
「あとでね」
そう言う夏希に連れられて、駅前のオフィスビルにあるピザが美味しいイタリアンレストランに入る。
オーダーを済ませてカクテルで乾杯すると、夏希は早速身を乗り出してきた。
「その後、どう? 古賀様との交際は」
「うん、楽しくやってるよ」
「旅行にも行った仲だもんね。じゃあお互いの部屋に泊まったりは?」
「それはしてない。私の部屋、狭いもん」
「そうじゃなくて、古賀様の部屋。職場から徒歩0分なんて、めちゃくちゃいいじゃない」
夏希に笑いかけられるが、優香は小さく首を振る。
「それだけはしないって決めてるの」
「なにを?」
「だから、彼の部屋から出勤すること。公私混同する訳にいかないもん」
「勤務時間外なんだから、何も問題ないじゃない。そりゃ、勤務中に彼の部屋に行ったり、カウンターの中でいちゃいちゃしてたらだめだけど」
「そんなこと、絶対にしない!」
「じゃあ、いいじゃない。今も彼の部屋には泊まらずに帰ってるの?」
その言葉にも優香は首を振った。
「行ってないの、彼の部屋に」
「ええ!? どうしてよ」
「なんだか、誰かに見られたらどうしようって思ってしまって」
「見られて困ることなんてないでしょう? 『こんにちは』『あら、コンシェルジュの戸倉さんじゃない。古賀さんとつき合ってるの?』『そうなんですー』って会話をすればいいだけなんだから」
「でもそのあと、噂が広まるよね?」
「だから何? おめでたいじゃない」
うーん、と優香はうつむいて口を閉ざす。
夏希はテーブルに両腕を載せ、真剣な表情で優香の顔を覗き込んだ。
「優香、コソコソする方がやましいことでもあるのかなって疑われちゃうよ。もっと堂々としてな。芸能人でもないんだしさ」
「それはわかってる。自分が思ってるほど、誰も私のことなんて気にかけてないよね。だけど、ほんの少しでも壮志さんに迷惑がかかったらって。コンシェルジュのみんなまで悪く言われたりしたらって思うと、怖くて……」
「それ、この先もずっと続けるの?」
「それって?」
「だから、古賀様とのおつき合いがバレないようにすること」
「バレてもいいし、その時はきちんと認める。だけどやっぱり、波風は立てない方がいいかなと思ってしまうの」
すると夏希は怒ったように両腕を組んで椅子に背を預ける。
「優香、彼のために強くなるんじゃなかったの? 一番大切なのは誰? マリナ・ヴィスタの住人? それとも私たちコンシェルジュ仲間? 違うでしょ。優香が一番に考えなきゃいけないのは、古賀様のことよ」
「壮志さんの、こと?」
「そうよ。いい? それだけは間違えちゃだめ。一人で勝手に結論出さないで、何度でも話し合って。古賀様が本当にこのままでいいと思ってると思う?」
「それは……」
考えてみると、即座に違うと思った。
「壮志さんは、私に気を遣って言い出せないだけだと思う。私の気持ちに寄り添ってくれてる。それなら私が答えを出さないと」
「優香、これは優香一人の問題じゃないんだよ。古賀様と二人で決めることなの」
「壮志さんと、二人で?」
「そう。忘れないでね?」
優香がその言葉をじっと考えていると、夏希が「あー、だめだめ!」と手で遮る。
「そうやって一人で考えるのがいけないの! いい? 今は一旦ピザに集中して。で、うちに帰ってから古賀様に電話して、そこから二人でよーいスタート! って考え始めるの。わかった?」
「え? えっと、今は考えないで、ピザに集中?」
「そう。全集中! ほら、マルゲリータについての食レポをどうぞ」
「ええ!? できるかな。えー、チーズが伸びーるマルゲリータ!」
「あはは! なんじゃそれ」
「もう! じゃあ夏希ちゃんもやってよ」
「はいはい。んー、おーいしーい!」
それだけ?と優香がツッコみ、二人で声を上げて笑った。
優香は「たまには女同士で飲まない?」と夏希に誘われて、お互い17時上がりの日に食事に行くことにした。
「今夜は真面目な話をしたいから、居酒屋じゃなくてイタリアンにしよう」
「いいけど、なあに? 真面目な話って」
「あとでね」
そう言う夏希に連れられて、駅前のオフィスビルにあるピザが美味しいイタリアンレストランに入る。
オーダーを済ませてカクテルで乾杯すると、夏希は早速身を乗り出してきた。
「その後、どう? 古賀様との交際は」
「うん、楽しくやってるよ」
「旅行にも行った仲だもんね。じゃあお互いの部屋に泊まったりは?」
「それはしてない。私の部屋、狭いもん」
「そうじゃなくて、古賀様の部屋。職場から徒歩0分なんて、めちゃくちゃいいじゃない」
夏希に笑いかけられるが、優香は小さく首を振る。
「それだけはしないって決めてるの」
「なにを?」
「だから、彼の部屋から出勤すること。公私混同する訳にいかないもん」
「勤務時間外なんだから、何も問題ないじゃない。そりゃ、勤務中に彼の部屋に行ったり、カウンターの中でいちゃいちゃしてたらだめだけど」
「そんなこと、絶対にしない!」
「じゃあ、いいじゃない。今も彼の部屋には泊まらずに帰ってるの?」
その言葉にも優香は首を振った。
「行ってないの、彼の部屋に」
「ええ!? どうしてよ」
「なんだか、誰かに見られたらどうしようって思ってしまって」
「見られて困ることなんてないでしょう? 『こんにちは』『あら、コンシェルジュの戸倉さんじゃない。古賀さんとつき合ってるの?』『そうなんですー』って会話をすればいいだけなんだから」
「でもそのあと、噂が広まるよね?」
「だから何? おめでたいじゃない」
うーん、と優香はうつむいて口を閉ざす。
夏希はテーブルに両腕を載せ、真剣な表情で優香の顔を覗き込んだ。
「優香、コソコソする方がやましいことでもあるのかなって疑われちゃうよ。もっと堂々としてな。芸能人でもないんだしさ」
「それはわかってる。自分が思ってるほど、誰も私のことなんて気にかけてないよね。だけど、ほんの少しでも壮志さんに迷惑がかかったらって。コンシェルジュのみんなまで悪く言われたりしたらって思うと、怖くて……」
「それ、この先もずっと続けるの?」
「それって?」
「だから、古賀様とのおつき合いがバレないようにすること」
「バレてもいいし、その時はきちんと認める。だけどやっぱり、波風は立てない方がいいかなと思ってしまうの」
すると夏希は怒ったように両腕を組んで椅子に背を預ける。
「優香、彼のために強くなるんじゃなかったの? 一番大切なのは誰? マリナ・ヴィスタの住人? それとも私たちコンシェルジュ仲間? 違うでしょ。優香が一番に考えなきゃいけないのは、古賀様のことよ」
「壮志さんの、こと?」
「そうよ。いい? それだけは間違えちゃだめ。一人で勝手に結論出さないで、何度でも話し合って。古賀様が本当にこのままでいいと思ってると思う?」
「それは……」
考えてみると、即座に違うと思った。
「壮志さんは、私に気を遣って言い出せないだけだと思う。私の気持ちに寄り添ってくれてる。それなら私が答えを出さないと」
「優香、これは優香一人の問題じゃないんだよ。古賀様と二人で決めることなの」
「壮志さんと、二人で?」
「そう。忘れないでね?」
優香がその言葉をじっと考えていると、夏希が「あー、だめだめ!」と手で遮る。
「そうやって一人で考えるのがいけないの! いい? 今は一旦ピザに集中して。で、うちに帰ってから古賀様に電話して、そこから二人でよーいスタート! って考え始めるの。わかった?」
「え? えっと、今は考えないで、ピザに集中?」
「そう。全集中! ほら、マルゲリータについての食レポをどうぞ」
「ええ!? できるかな。えー、チーズが伸びーるマルゲリータ!」
「あはは! なんじゃそれ」
「もう! じゃあ夏希ちゃんもやってよ」
「はいはい。んー、おーいしーい!」
それだけ?と優香がツッコみ、二人で声を上げて笑った。