世界で一番大切な親友へ
日常の崩壊
その日の朝は、驚くほど普通だった。
雲一つない青空が広がり、校庭の隅の紫陽花が、朝露を浴びてきらきらと輝いている
いつもの改札前で待ち合わせた乃愛は、少しだけ顔色が悪いように見えたけれど、「ちょっと寝不足なだけ」と、いつもの優しい笑顔を浮かべて美優の腕に触れてきた
「美優、今日の1時間目、小テストだよ。ちゃんと勉強してきた?」
「げっ! 嘘、完全に忘れてた……! 乃愛、10分だけでいいからノート見せて!」
「ふふ、しょうがないなあ。じゃあ、下駄箱に着くまでに対策ね」
そんな、どこにでもある、何気ない女子高生の会話
これが二人にとって、最後の「普通の朝」になるなんて、美優は微塵も思っていなかった
1時間目の授業中、美優は必死に黒板の文字をノートに書き写していた