まだ青い彼
第8話
――週明け、悩んでいる暇もないくらい頭も心も仕事に持って行かれた。
プロジェクトが本格的に始動し忙しくなったのだ。
嫌な忙しさではなくとても充実したもので、今までで一番やりがいを感じていた。時間があっという間だと感じるほどだった。
――――……
気づけばまたその週が終わろうとしていた、金曜日。
この日は広睦くんと会う予定をしていた。あらかじめ少し遅れるかもと伝えると私の会社近くのカフェで時間をつぶしているから気にしないでと返事があった。
思ったより遅くならなくて、『今から会社出るね』とメッセージを送るとスマホをバッグにしまった。自分でもわかっている。広睦くんと会う日は――少し、浮かれてる。
「東谷、東谷! 」
後ろから橘さんの声が追いかけてきて足を止めて振り向いた。
「橘さん、どうしました? 」
「はあ、お前全然捕まらないのな。今週どっかでーってぼんやり思ってたらもう金曜だぜ」
並んで歩いて、今日も断ることになるので申し訳ない気持ちになる。
「あの、実は……今日もこの後予定がありまして」
おずおずと申し上げると橘さんは目を丸くした。
「ああ。そうか。そうだよな……。この前の、上手くいったのか。ああ、言いたくなかったらいいんだ」
「いえ、この前のは。友達にはなれそうでしたが、なかなか」
「ああ。なかなか難しいよな。そっか別に予定が全部男とは限らないよな」
「えー……まぁ」
けど今日は、男性でデートで。わざわざ報告の義務もないんだけどさ……。正直に言うべきなのかな。けど……。どう説明すべきか、そもそも説明が必要なのか、そう考えあぐねていると
「春美、さん? 」
目の前にアイスコーヒーを持った広睦くんの姿があった。
「あ……」
嘘をついたつもりはないのに、なんだかきまりが悪く、俯くことしかできなかった。
プロジェクトが本格的に始動し忙しくなったのだ。
嫌な忙しさではなくとても充実したもので、今までで一番やりがいを感じていた。時間があっという間だと感じるほどだった。
――――……
気づけばまたその週が終わろうとしていた、金曜日。
この日は広睦くんと会う予定をしていた。あらかじめ少し遅れるかもと伝えると私の会社近くのカフェで時間をつぶしているから気にしないでと返事があった。
思ったより遅くならなくて、『今から会社出るね』とメッセージを送るとスマホをバッグにしまった。自分でもわかっている。広睦くんと会う日は――少し、浮かれてる。
「東谷、東谷! 」
後ろから橘さんの声が追いかけてきて足を止めて振り向いた。
「橘さん、どうしました? 」
「はあ、お前全然捕まらないのな。今週どっかでーってぼんやり思ってたらもう金曜だぜ」
並んで歩いて、今日も断ることになるので申し訳ない気持ちになる。
「あの、実は……今日もこの後予定がありまして」
おずおずと申し上げると橘さんは目を丸くした。
「ああ。そうか。そうだよな……。この前の、上手くいったのか。ああ、言いたくなかったらいいんだ」
「いえ、この前のは。友達にはなれそうでしたが、なかなか」
「ああ。なかなか難しいよな。そっか別に予定が全部男とは限らないよな」
「えー……まぁ」
けど今日は、男性でデートで。わざわざ報告の義務もないんだけどさ……。正直に言うべきなのかな。けど……。どう説明すべきか、そもそも説明が必要なのか、そう考えあぐねていると
「春美、さん? 」
目の前にアイスコーヒーを持った広睦くんの姿があった。
「あ……」
嘘をついたつもりはないのに、なんだかきまりが悪く、俯くことしかできなかった。