まだ青い彼
「なんだよ。何か言えよ」
「え、そうだろうなって思うから」
「チッ、つまんねーの」
「あ、じゃあ、調子乗ってんな、とか? 」
「ああん? 」
「ご、ごめん、ごめん。冗談って」

 しかめっ面で睨んでいた顔が崩れケラケラ笑い出して、私も少し気が緩んだ。

「で、条件は。橘さんの条件」
「条件? 」
「そう。橘さんのウィキペディアみたいなもん。俺と比較するから」
「最終学歴はA大。学部どこだろう。たしか、キャンパスがどこって言ってたから……」
「割愛。どこ大だけで十分頭いいのわかったし」
「年は37歳。新卒で今の会社に就職して、私が新卒の時に教育係として仕事を教えてくれて、5年くらい前? に異動して3年前くらいに向こうの同い年? くらいの同僚と結婚……半年くらい前に離婚。このあたりちゃんとした年数じゃないかもしれないけど。本社に戻って来て社運かけたプロジェクトの主任。あとは身長体重とか? 広睦くんとそんなにかわらない。同じくらいかなぁ。好きな食べ物は一華の担々麺。上に乗ってる青梗菜が好きらしい。あとエビチリ。甘いものも好きでこっち帰って来てからは&(エスペルットゥ)でテイクアウトして家で一人楽しんで……」
「詳しいんだね」
「そ、まあ」
「そんなことまで聞いてないけど」
「たまたま、&のことは聞いたばかりで。一華は会社から近いからお昼によく……ね」
「まあーなー。向こうの方がつき合い長いしなー。そこは俺が不利だな。でも、これから先を考えた時、密度で勝負すると追いつける可能性あり」

 密度……?急に張り合いはじめて、え?となる。

「背は一緒くらいって言ってたけど体感、俺のがちょっと高い。仕事は出来る人で多分給料もめっちゃいい。でも俺はこれからで生涯年収で言うとまだわかんないよな。青梗菜は俺も好き。辛いのも平気だけどエビマヨのが好き。俺もバツイチ。&(エスペルットゥ)は……今度買ってみる。年齢は……うーん。俺が追いつけないのって年齢くらいじゃない? 」

 担々麵にまで言及するから盛大に吹き出してしまった。

 
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