まだ青い彼
「不安を解消するために誰かといたくて、それが俺だったら余計に不安になる。若さってそんなに羨ましいですか。マイナス要素になりますか」
「……私……」
「春美さんは、俺と結婚するのは10年後、20年後()()()辛い思いをする()()()()()()から不安で嫌だってハナシね」
 「……俺とって言うか、年の差があるのはってこと。広睦くんが浮気性だとかそういうことを言ってるんじゃないよ、けど……」
「おーけー、おーけー。春美さんさ、まだ起こってもない未来の自分の気持ちは考えて心配できるのに、()()()()()()()はガン無視なわけ? 辛い思いさせるのは平気なわけ? すごいじゃん。()()()って身勝手なんだね。俺を好きじゃないならともかく、好きなのに年齢で振るの。そっちの感情は“かもしれない”こっちの感情は“確実に辛い”どういうこと、これ」

 腕組みして私を睨みつける広睦くんの視線を受け、何も言えなくなってしまった。
「でも……」
「仮想的な状況で無理って言われてもね」
「も、もちろんわかってるよ。浮気をしない人だっているし、単に危機管理能力が働いただけで……」
「わかってない」
「えっと」
「俺が、今どんな思いするか、わかってない」

 顔を近づけて凄まれると、ひゅっと息を止める。

「ごめんなさい。でも、あなたはまだ若いんだしこれからいくらだって恋が出来るでしょう。大学生は大学生と……」

 ものすごく嫌そうな顔をされ、私はそれ以上言わずにぐっと押し黙った。
 代わりに広睦くんがはーっと盛大なため息を吐いた。広睦くんの今の気持ちを軽視してるつもりはないんだけど、どうしても21歳の『結婚』という言葉は軽く響いてしまう。
 

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