my memory love 〜あの時の約束〜
ん?誰かいる???
教室の扉の窓から少し人影が見えたような。
ーーーガラガラッ
「あ、泉ちゃん」
「仁!おつかれさま!本当、ありが………」
わたしは気がついたら仁に抱き寄せらていた。
仁はしばらく何も言わずにずっと私を抱きしめていた。私は……胸の鼓動が鳴り止まなかった。
「そろそろ告白の返事聞きたいなぁ」
「……うん」
私の体をそっと離して真剣な表情でみつめてくる仁。
「その前に俺から話しておきたいことがあるんだけど、いい?」
「……うん、なぁに?」
「おおきくなったらけっこんしようね」
………え?
今仁が言った言葉は……幼稚園の頃にした約束。
「仁……その言葉……」
「ごめん、本当は覚えてた」
「うそ……」
私は片手で口を押さえ、驚きを隠せなかった。
「何回も言おうと思ってたんだけど、言うタイミング見失っちゃって」
「でも覚えてないって……言ってなかったっけ…?」
「うん、あれは嘘、ごめんね。」
「……なんでそんな嘘ついたの?」
「中学の時、親友に裏切られたのがトラウマで、自分から人と仲良くなることが少し怖かったんだ。それに、八谷くんといる泉ちゃん見てたらなんか遠慮しちゃって。」
「そう……だったんだ」
「だから、最初の方は冷たくしちゃったこと後悔してる、ごめんね泉ちゃん。」
「ううん、謝ることじゃないよ!それよりも途中からだんだん仲良くなれたのがすっごい嬉しかった!
………でも……」
「……でも?」
「私の家で勉強した日……チラッて見えちゃったんだ……スマホの画面。
美沙ちゃんのこと、ずっと引っかかってて……。」
仁は、あぁ〜と言いながら話し始める。
「あれはー……美沙が喘息持ちで。
発作がでて不安だから一緒にいてくれって頼まれた。
あいつ一人暮らしだから他に頼れる人がいないって言ってて。今は親がこっちにいるから大丈夫らしいし、あれっきり連絡も来なくなったよ。
……喘息で苦しそうにしてんのに、ほっとくのも人としてどうなのかなって思って。あの時は放っておけなかったんだ。
もしかしてずっと気にしてたの?泉ちゃん」
「聞くにも聞けなかったから……」
「それになんか告られたけど、ちゃんと断ったから。」
「あのさ……もしかして、その時美沙ちゃん泣いてた……?」
「あ…うん。なんで知ってるの?」
「私通りすがりに見ちゃったんだよねぇ…と言うか聞こえたが正しいんだけどー…」
「そうだったんだ」
少し微笑んで、わたしの顔をじーっと見つめている仁。
「……な、なに?」
「俺のこと好き?」
「………うん」
わたしが返事をすると仁は……唇にキスをした。
「俺と付き合おっか」
「……はい、よろしくお願いします…」
「本当、泉ちゃんってかわいい」
「……あんま慣れてないから…」
「そういえばさ」
「ん?…なに?」
「八谷くんと、子供の時の話とかってしないの?」
「……え?ハチ?
うーん、あんまりしないかなぁ、なんで?」
「ううん、なんでもない」
……???
なんでハチの話が今出てきたのかはこの時の私にはわからなかった。