my memory love 〜あの時の約束〜
『では次は2年A組による劇、2人はロミジュリ!?〜運命のプロポーズ〜が始まります!
えーこの作品は〜…』
マイクを持って私たちの出し物の説明をする学級委員。
私は衣装に着替えて、体育館のステージ裏に待機していた。
やっぱり緊張するなー…
「泉ちゃん、緊張してる?」
「うん、なんかこういうの初めてで……」
「俺がいるから、大丈夫だよ」
「あ、ありがとう……!」
仁はそう言ってにこっと微笑んでくれた。
『では、開幕です!』
観客席の拍手の音と同時に私たちは体育館のステージに立った。
「ロミオ……どうしてあなたはロミオなの?」
「あぁ、ジュリエット、僕はあなたを愛しています、結婚してください」
白い上下のスーツ姿で、わたしの手を握りながらこっちを見つめている仁。
その真っ直ぐな瞳に見つめられ恥ずかしくなったわたしは視線を斜めに逸らした。
逸らした視線の先には、ステージの端で大道具を持って待機しているハチと一瞬だけ目が合いお互いが視線を逸らす。
……なんか気まずいんですけど。
あいつはただの幼馴染だし、気まずくなる理由なんて何にもないのに……。
そんなことを考えている間に私たちの劇は無事に終わった。
「瀬川さん!すごいよかった!練習の時よりも自然にできてたよ、セリフ覚えてくれてありがとう!」
「本当、最初はどうなるかと思ったよ〜!」
ステージ裏で学級委員2人が私のところへ来て話し始めた。
「ううん、こちらこそありがとうね!」
正直台本渡された時は、なんなのこの台本って思ってたけど。
終わってみれば、なんだか達成感が生まれた。
「あ、わたし教室にスマホ忘れた!教室寄ってから被服室行くね!」
「うん、わかった〜」
わたしは被服室で着替える前にスマホを取りに教室に戻った。