チャラ男も笑えば雑巾に当たる

犬井駆の言葉はまっすぐなのに、私はどうしてかまっすぐ受け取れない。

信用することが怖くて。
一度受け入れてしまったらもう止まらない気がして。

彼の甘ったるくてとろけるような瞳に吸い込まれて、
あたたかい指先でこころまで絡みとられて、
鼓膜に口づけされているような甘い声で耳が溶けて、

もうぜんぶがおかしくなるの。

思い出すだけでも、だめなの、心臓が震えて、熱くなるの。


「……りん、みのりーんったら!すっごい眉間にシワよってるぞ〜!」

「っ、ご、ごめん…考え事してた」

「じゃ帰ろっか!今日はゆっくりお家で休もうの日!」

「……私そんなに険しい顔してた?」

「ん〜?ふふふっ、真剣に考えてるんだなーって応援したくなっちゃうくらいにはイイ顔してたよん♪」

「なにそれ……」

「でも考えすぎるのもよくないから!さっ、帰ろ帰ろ〜」


ふんふふーん、と陽気な鼻歌で歩き始めるカナミ。
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