チャラ男も笑えば雑巾に当たる

だめだめ、落ち着け私、流されてはいけない。
正義はいつでも落ち着いて冷静な判断をしなければ。

そうだ冷静だ、冷静になろう。たとえコンプレックスをネタにされたってイラついてはいけない。また二次被害の失態を犯すわけにはいかないんだ。

すうっ、はー、と静かに深呼吸。

そうしてゆっくり手を伸ばし、お玉杓子を持っている男子の手ごとぎゅっと包んで。


「っ、」

息を詰まらせる男子を無視して鍋から牛肉を取り出し皿へ盛る。

無言で3回ほどその動作を繰り返し、いい感じの量になった牛肉をお盆へのせる。

視線を彼に移せば頬をうっすら紅く染めて口をぽかんと開けたままフリーズしていた。

ふっ、この程度で照れるなんて低レベルなチェリーボーイね、私なんてチャラ男に高級上質ひざ枕を提供してやってるくらいには経験値高めなんだから。しょせんあんたらは口だけ達者なおサルさんよ、女子に触れるなんて100年早いわ。まずはサルから人間のオトコに昇格するところから練習してらっしゃい!ふん!

という心の中で発した貶し文句をすべてこの一言に込めて言い放つ。

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