チャラ男も笑えば雑巾に当たる

彼の方を向いて強く視線を投げる。


「あなただって今日、理科室で変態発言したじゃない。そっちこそ私を何だと思ってるのよ」

「だから情報あげたじゃん」

「うっ」


そ、そうだったわ……。

ちょろすぎて今さら笑えてくる。
何やってんだ私。


「ぼくもみのりんからほしいものあるなあ」

「ほしいもの?お金なら持ってないわよ」

「お金とか物じゃないよお」

「じゃあなに、高級上質ひざ枕?どーぞ遠慮なく」

「んーん、今日はそれじゃ足りない」

「っ、」


気がつけば私の右手は犬井駆の左手にからみとられて。

いつもの無邪気な笑顔じゃない方の、大人っぽくて甘い、妖艶な笑み。


「ぼくのこと名前で呼んで?」


ぎゅう、と強く、でもやさしく、指のつけ根に力が込められた。


「っ……」


なぜ。

なぜ、なんで、どうして。

疑問符が頭の中いっぱいにふくれあがる。


「……か、かける、くん……」

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