チャラ男も笑えば雑巾に当たる
図書室でヤンキーにからまれたのを助けてくれた、あの日。
ハチギって名前を聞いてヤンキーたちが逃げていったのはヤクザの息子だというのを知っていたから。
そっか、そういうことだったんだ。
やっと“あの日”の真相が判明してすっきりした。
犬井駆の言う腹黒い蜂技くん、ていうのもこれのことかな。
「委員長は?」
「え?」
唐突に聞かれ何のことだかさっぱり。
「人は見かけによらないって話」
さっきの続きってことだ。
犬井駆はああ見えて繊細、
カナミはああ見えて天然、
蜂技くんはこう見えてヤクザの息子。
じゃあ私は?
「…………ロマンチスト、かも」
ただし好きな人限定ね、と付け加える。
普段はわりと現実主義だと思う。
感情に流されないよう気をつけてるし、物事を冷静に判断できるよう努めてるし。
恋愛と結婚はベツモノだと考えるし、愛が成り立つにはお金が必要だと思うし、燃えるような恋よりも穏やかで安定した恋をしたい。
けれど、そこに、ほんの少しでいいから。
好きな人となら……蜂技くんとなら、ロマンというエッセンスがあってもいいなって、最近思うようになってきた。