魔法がなくても


「一応、分かってるよ?でもぼくの一番は星羅だからねー」


砂の上に私と桜でテーブルの設置が終わって少し海から離れたところにいると、食材を運んできた乃蒼とシエル、軽々と片手で段ボールをかつぐ四がやって来た。


「よーし、これで最後だな。食材もテーブルもそろったろ。俺が肉焼く担当──うわっ」

どん、と重そうな段ボールをテーブルに置き、はりきって腕まくりをする四の前に、理事長が姿を現した。


「おお、なかなか今年も集まってるのにゃ。準備ごくろーさん!んじゃ、海辺のバーベキュー開始をここにせんげんするのにゃん!」


理事長が片手を空にかかげ、開始の合図をすると生徒の皆が動き出す。
自然と皿を配ったり、焼いたり、飲み物を注いだり。

四は肉、肉っと鼻歌をつむぎながら焼きはじめ、その近くで煙をよけながらシエルと乃蒼がいた。
桜は私と二人分の皿を取りに行くと言って走っていった。

そんな中、私も行かなくてはと思い一歩踏み出せば、ふよふよとこちらに理事長がやって来るのが見えた。
< 66 / 84 >

この作品をシェア

pagetop