【続編】ふたりの恋のそだてかた。
美咲の真後ろに立つと、怖いほど無垢で恐怖と煽情が混ざる潤んだ瞳が俺を見上げてくる。
違うと強く言い聞かせれば言い聞かせただけ、昨日のことを思い出して怖くなった。
恐る恐る、自分の中の何かを抑えるように慎重にテーブルに片手をつく。
台詞を言う瞬間、頭が勝手に恐ろしいことを思った。
(瑠奈を泣かせたのは、)
「“美咲さんを泣かせたのは――
誰ですか?”」
無遠慮に掴んだ顎先の、濡れた感触が気持ち悪いほど生々しい。
目に映る目の前の女は御伽蘭子の“美咲”なのに、狂おしく見つめて双眸が細くなる。
「“俺ならそんな顔させないのに”」
そんなセリフで閉じるシーン。
カットがかかるまで、静かな余韻が尾を引いた。
「――カット」
掛かった声も、届くまでにしばらくかかる。
御伽蘭子の顎先を無意識に強く掴んだまま、ぼうっと苦しい感覚の中にいる。
御伽蘭子は上を向かされたまま、楽しそうにニヤリと涙に濡れた唇を吊り上げた。
違うと強く言い聞かせれば言い聞かせただけ、昨日のことを思い出して怖くなった。
恐る恐る、自分の中の何かを抑えるように慎重にテーブルに片手をつく。
台詞を言う瞬間、頭が勝手に恐ろしいことを思った。
(瑠奈を泣かせたのは、)
「“美咲さんを泣かせたのは――
誰ですか?”」
無遠慮に掴んだ顎先の、濡れた感触が気持ち悪いほど生々しい。
目に映る目の前の女は御伽蘭子の“美咲”なのに、狂おしく見つめて双眸が細くなる。
「“俺ならそんな顔させないのに”」
そんなセリフで閉じるシーン。
カットがかかるまで、静かな余韻が尾を引いた。
「――カット」
掛かった声も、届くまでにしばらくかかる。
御伽蘭子の顎先を無意識に強く掴んだまま、ぼうっと苦しい感覚の中にいる。
御伽蘭子は上を向かされたまま、楽しそうにニヤリと涙に濡れた唇を吊り上げた。