【続編】ふたりの恋のそだてかた。
ピンときて、私はそのまま前進しかけた足が止まるポーズを作る。
振り向いて、きょとん顔。
紫苑は照れ隠ししてる顰めっ面をしてた。
カシャッカシャッ。
シャッターが何度か切られたら、今度は私から仕掛ける。
向き合って、少し俯いて憂いて好意を隠す顔。
“なんのシーンかわかる?”
そんなクイズを出すみたいに。
「――……」
切なそうな表情に切り替えた紫苑が、指先でそっと私の頬に触れる。
カメラに私の横顔がちゃんと映るように、計算した右手で。
「2人、本当に相性いいな」
「息ぴったりですね」
遊ぶようにくるくると構図や表情を合わせ合う様子に、見ていた大人たちの表情が和む。
視線の合わせ方、指先まで神経を巡らす繊細な静止と、1番美しく互いを映すための瞬発力。
紫苑と私で、完璧に淡い青春の水色を醸し出す。
――このティザーカットの公開は、約1週間半後。
それと同時に、映画の制作発表と公式SNSの設立が行われる。
私の映画のクランクインも、もうすぐそこに迫っていた。