【続編】ふたりの恋のそだてかた。

Ep.19 さみしい気持ちのつたえかた。

爽真と会えないまま、お互いに仕事はトントンと進んでいった。

私は大学と映画の撮影の両立。
それから、8月にまた小さな舞台の仕事が始まるからその稽古もポツポツと。

爽真はドラマの仕事を中心に、モデル業も活発化。
7月ドラマ【夜が明けるまで、帰れない】は、地上波でほんの数十秒の短い予告が番組の合間に流れるようになった。


――6月20日。18:00。
この時間でもまだ明るい、電車から見えるもう見慣れつつある街並み。

帰宅ラッシュに逆行して向かう先は、爽真の家。

映画のティザービジュアルが公開されてから、私の注目度と世間からの認知度がほんの少し上がってきているから変装はしっかり目に。

白地に白い花の大柄シアーシャツに、黒のフレアスカート。
それに合わせて黒いキャップに金の大渕メガネ。

マスクはしない代わりに、リップの色を濃くして大人っぽさを出した。
女子高生の琴乃、とは印象を変えて目を眩ます作戦だ。

電車を降りると、とても家に向かっているとは思えない、ショップが並ぶ道を通り過ぎて最後に路地に入っていく。

もう流石に目が慣れてきたマンションに入って、合鍵を使って中に入る。
エレベーターを出た後の外から見える廊下は、あえて堂々と歩く。

でも家の鍵を開けて入る時は気持ちは秒速で、さっさとドアを閉めた。
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