【続編】ふたりの恋のそだてかた。

「“……朝倉くん?”」


予想外の湊の反応に、焦り。

何か言わなくちゃと動揺したまま、人一人分の微妙な距離を詰めようとして――キュッと摩擦で引っかかった上履きが床を蹴りきれない。

咄嗟に腕を広げる湊。否応なしにそこに飛び込んでしまう琴乃。


カメラにちゃんと顔が映るように、テスト通り右寄りで――

ぽすんとその胸に収まった。


(何が起こったかわからない間。驚き。でもだんだん体温を感知する)


抱き止められてから数秒して、見開いた目を揺らす。
その直後、湊が測ったようにぎこちなく私の肩を押して体を離した。


「“……あ、と……大丈夫?”」
「“う、うん……ありがとう……”」


気まずそうに逸らされる視線。
変に意識してしまう落ち着かなさに、手が口元に添う。


「……」


次のセリフまでの間は、長く。
甘酸っぱい空気を漂わせて――

ただのクラスメイトを、初めて異性と意識してしまった瞬間。
それを完璧に表現して、綺麗な画として100点満点の演技――……


「カット」
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