【続編】ふたりの恋のそだてかた。
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窓に柔らかく光が差し込んで、撮影が再開する。
琴乃と湊が、美術室で何気ない会話を重ねるシーン。
最後に転びかけた琴乃が、湊の胸に飛び込んで抱き止められてしまう――
そんな甘酸っぱいラブシーン込みの撮影だ。
――窓際に背を預ける湊と、窓枠に手を掛けて窓の外を見る琴乃。
静かな美術室の空気と、遠くに聞こえる運動部の声。
なんとなく、この逢瀬が定番になりつつあるそんな曖昧で居心地のいい空気が流れている。
「“今日の現国の模試。小説の問題の主人公の行動、意味わかんなくなかった?”」
片耳だけ外したイヤホンを指で弄びながら、湊が静かに問いかける。
「“……あれは――多分、寂しかったんだと思うよ。だからめちゃくちゃやって、みんなの気を引きたかったんじゃないかな”」
「“ふぅん。結果嫌われてるんじゃ、本末転倒だと思うけどな”」
「“正しい人付き合いを知らなかったんだよ。……気持ち、わかる気がするな”」
落とした視線に、寂しさを混ぜる。
人気者でみんなの中心にいる朝倉くんには、小説の主人公の気持ちも、私の気持ちもわからない。
そんな自嘲を込めて、小さく笑った。
「“……そんなものの正解、誰も知らないと思うけど”」
軽口を言っていた湊の顔から、ふっと表情が消える。
彼にもまた彼の孤独がある――それを予感させる表情だ。