【続編】ふたりの恋のそだてかた。
足音を顰めて正面に回り込んで、窮屈そうな爽真の寝相を見下ろす。

片足を立てて、ちょっと落ちかけてて、手が床に投げ出されている。
それでも規則的な寝息を立てているから、案外タフなのかもしれない。


(朝苦手だもんなぁ。全然起きる気配がない)


昨日爽真がしてたみたいにしゃがみ込んで、横を向いてる寝顔を正面から覗く。


恐ろしいほど整ってる綺麗な鼻筋と密度の高い睫毛。

この顔で年上婚約者持ちの幸薄美女に執着するドラマなんて出たら、そりゃ注目されるわと改めて納得した。


(……でも、この瞬間の無防備さだけは私のもの)


膝に肘をついて頬を支えながら、さらりと流れた爽真の前髪を指でなぞる。

爽真が世間に見つからないなんて、無理な話だから。
せめて爽真が初めて見せる表情や仕草、経験だけは私だけがもらえるものであってほしい。


(……なんて。うーん、なかなかに重いな、私)


約2年前、なんでこの人を諦められると思ったんだろうか。

時を重ねれば重ねるだけ、無理だ。
手放せない実感が、日に日に強くなっていってる。
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