【続編】ふたりの恋のそだてかた。
Ep.4 お久しぶりの女子トーーーーク!
4月3日。
大学のオリエンテーションを終えた昼過ぎ。
この後オフなのだけど、所用があってオンボロ事務所に立ち寄った。
「御手洗、来月このドラマのオーディション受けたいんだけど、スケジュール的に大丈夫?」
「あー……待ってください。今確認します」
バッグを肩にかけたまま、デスクにつく御手洗の背後で回答を待つ。
時間ギリギリ、待ち合わせに間に合うかなとベージュ革のベルトで巻いたピンクゴールドの腕時計を確認していると――後ろから声をかけられた。
「おはようございます!瑠奈さん、お疲れ様です!」
真後ろでかける声にしては大きすぎる声量に、びくっと肩が跳ねる。御手洗の手も止まった。
私が振り返る前に、その声の主はぬっと近い距離で私の背後から顔を覗かせる。
少し背伸びしたグレーアッシュのマッシュヘア。
華やかさはないけど、アーモンドアイとよく伸びる唇が特徴的な人懐っこくて愛嬌のある顔立ち。
まだ馴染まない濃紺のブレザーに身を包む彼は、ほんの1週間前に入ったばかりのフジイ事務所念願の若手――
倉木 恭介だ。
「うわ…っ。恭介くん、おつかれ」
振り返ったら思ったより近いところに顔があって、一歩引く。
嬉しそうににこにこしているその顔に、お座りして尻尾振ってる豆柴の残像が見えた。
「会えて嬉しいです!この後お仕事ですか?
俺は演技のレッスンです。スタジオに行こうとしたら道に迷っちゃって、御手洗さんに場所を聞こうと思って戻ってきて――」
私が1返す前にどんどん話題を上乗せされて、答える間がない。
しかもどんどん前のめりで寄ってくる。
すごいな、高校一年生。フレッシュさにすでに圧倒されている。
「いや、私はこの後友達と予定があって……」
「オフですか?いいですね!楽しんできてください!
あ!でも今度演技方法で瑠奈さんに聞きたいことがあって、次いつ事務所に来るかとか……」
「瑠奈さん、スケジュール今のところ大丈夫そうです」
恭介くんの怒涛のお喋りを容赦なく遮って、御手洗が割り込んでくる。
「よかったー、ありがと御手洗。
で、恭介くん。相談なら、私は来週の水曜日16時なら時間取れるよ」
恭介くんの顔がぱぁあっと明るくなる。あ、尻尾。
また見えた。
大学のオリエンテーションを終えた昼過ぎ。
この後オフなのだけど、所用があってオンボロ事務所に立ち寄った。
「御手洗、来月このドラマのオーディション受けたいんだけど、スケジュール的に大丈夫?」
「あー……待ってください。今確認します」
バッグを肩にかけたまま、デスクにつく御手洗の背後で回答を待つ。
時間ギリギリ、待ち合わせに間に合うかなとベージュ革のベルトで巻いたピンクゴールドの腕時計を確認していると――後ろから声をかけられた。
「おはようございます!瑠奈さん、お疲れ様です!」
真後ろでかける声にしては大きすぎる声量に、びくっと肩が跳ねる。御手洗の手も止まった。
私が振り返る前に、その声の主はぬっと近い距離で私の背後から顔を覗かせる。
少し背伸びしたグレーアッシュのマッシュヘア。
華やかさはないけど、アーモンドアイとよく伸びる唇が特徴的な人懐っこくて愛嬌のある顔立ち。
まだ馴染まない濃紺のブレザーに身を包む彼は、ほんの1週間前に入ったばかりのフジイ事務所念願の若手――
倉木 恭介だ。
「うわ…っ。恭介くん、おつかれ」
振り返ったら思ったより近いところに顔があって、一歩引く。
嬉しそうににこにこしているその顔に、お座りして尻尾振ってる豆柴の残像が見えた。
「会えて嬉しいです!この後お仕事ですか?
俺は演技のレッスンです。スタジオに行こうとしたら道に迷っちゃって、御手洗さんに場所を聞こうと思って戻ってきて――」
私が1返す前にどんどん話題を上乗せされて、答える間がない。
しかもどんどん前のめりで寄ってくる。
すごいな、高校一年生。フレッシュさにすでに圧倒されている。
「いや、私はこの後友達と予定があって……」
「オフですか?いいですね!楽しんできてください!
あ!でも今度演技方法で瑠奈さんに聞きたいことがあって、次いつ事務所に来るかとか……」
「瑠奈さん、スケジュール今のところ大丈夫そうです」
恭介くんの怒涛のお喋りを容赦なく遮って、御手洗が割り込んでくる。
「よかったー、ありがと御手洗。
で、恭介くん。相談なら、私は来週の水曜日16時なら時間取れるよ」
恭介くんの顔がぱぁあっと明るくなる。あ、尻尾。
また見えた。