【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「ありがとうございます!絶対、意地でも空けます!
学校もサボります!」
「いや、学校はちゃんと行きなよ」
「はい!行きます!」
「それよりあなたは一刻も早くレッスンに行きなさい。今住所送りました。走れば間に合います」
「わー、そうだった!」と恭介くんは慌ただしく事務所を出ていく。
嵐が去ったかのような疲労感に、御手洗と目を合わせた。
「すごいね、御手洗!期待の新星!
高齢化が進むフジイ事務所の救世主!」
「ちょっとイジってるでしょう。瑠奈さん」
PCのデスクトップから目を離さない御手洗の冷静なツッコミに、へへ、と苦笑いを返す。
「あなたに憧れて入った子なんですから、可愛がってあげてくださいね」
「わかってるよ。あの子素直だし。
ちゃんとビシバシ育てるよ」
「……瀬名くんにはあの子のこと言ってあるんですか?」
振り返った御手洗が、じっとこっちを見てくる。
きらりと光るメガネの鏡面に、何か含みがある気がする。
「まだ言ってないけど?この間そんなに時間もなかったから――……」
「へぇ。それよりいいんですか?この後の予定は」
「あっもう行かないと!」
「あなたも大概ですね」
せっかく綺麗に整えたというのに、髪もスカートの裾も靡かせて。
私も恭介くんと同じくらいドタバタと、待ち合わせ場所まで走っていくことになった。