【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「そうだ、瑠奈にこれ渡しとく」
少ししてやっと夕飯モードに切り替えた時、爽真が棚の上にあった物を取ってきて私の手のひらに置く。
チャリンと言う金属音と、冷たい感触。
握らされた手を広げると、シルバーの鍵がそこにあった。
「合鍵。
これで玄関でコソコソしなくて済むだろ」
「……ありがと……」
手のひらで鈍く光るそれをじっと見つめる。
小さい鍵なのにやたら重みを感じてしまって、実感もないままそう返した。
「じゃ、夕飯にするか」
「あっ……なんか手伝う!?」
「いい、手間増えるだけだから」
「ひどっ!そこまで言う!?」
「瑠奈がそこまでの料理音痴だからだろ」
ちょっとずつ、恋も仕事も動き出す。
このきっかけが私にも――
なにより、爽真にとっての大きな転換点になることを私たちは、まだ知らない。