【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「当たり前!そのために来たんだから。
キャスト見るに、爽真以外は実力もキャリアもある人ばっか。まずは顔合わせで“この新人、空気違う……!”って思わせないと!」
意気込んで再び台本を開く私の横顔を、爽真は呆れ半分くすぐったそうに微笑んで見ている。
「なに他人事みたいな顔してんの?
私が帰るまであと2時間、きっちり詰めるよ!」
「はいはい」
「“はい”は一回!」
爽真の大仕事が進行する中――
オンボロ事務所の一角で、電話を取る御手洗が虚を突かれた顔をしている。
「え?映画のオファー?
……香月にですか?」
私にも、大きなチャンスが近づいてきていた。