【続編】ふたりの恋のそだてかた。
西宝映画。
全国シアターで放映される、トップシェアの映画会社だ。
「これは、青春恋愛小説の純文学作品が原作です。
あなたの役は、自分に自信がなく常に教室の隅にいるような地味なヒロイン・清水 琴乃。
影を隠すクラスの人気者の男の子と距離を縮めたことをきっかけに、少しずつ変わっていく繊細で優しい少女の役です」
繊細で優しい、自分に自信のないすみっこ系女子――
それから、ヒロイン。
全然演ったことない役所。
淡くてちょっと切なそうな恋愛作品。
これは、演技力が試される。
(演りたい。すごく。映画ならなおさら)
まだ整理しきれていないけど、心が疼く。
両手にしっかりと持った企画書を、もう手放すことができない。
「――演りたい。私、絶対やる!」
「そうでしょうとも。では概要に目を通しておいてください」
ふっと微笑んだ御手洗に促されて、ドキドキしながら1ページ目を捲る。
冒頭に、キャスト一覧。
その1番上に私の名前と――
「んっ?」
私の隣に並んだ4文字に、感動がぴたりと止まる。
恭介くんはきょとん顔。
社長と御手洗は私から目を逸らして、“気付いたか”みたいな素知らぬ顔をしている。
「……ちょっと待って。一旦、保留」
戦慄く口で、やっとのことで言葉を紡ぐ。
【起用予定キャスト一覧】
【主演:成宮紫苑 香月瑠奈】
これは――……
爽真に、相談だ。