【続編】ふたりの恋のそだてかた。
Ep.11 映画、始動
5月14日。8:50。
今日は映画【水色の僕と君】の初顔合わせ。
そして、本読み、衣装・メイクテストも同日に組み込まれている。
御手洗の運転する車に乗りながら、西宝映画のオフィスビルを目指す。
車線の多い道路の傍には、整然とガラス張りの高層ビルが並ぶ。
すでに忙しく歯車が動き出していそうな気配のする、一流のオフィス街。
その中に、私も組み込まれるのか。
「瑠奈さん。今日は初日にして、一日掛の仕事です。
心してかかってください。」
2時間半が詰まった台本から視線を上げて、バックミラー越しに強気に微笑む。
「任せて御手洗。弱小プロの映像素人なんて舐められ方、絶対しない。
まずは第一印象で殴る。私流のいつものご挨拶だから」
9:00。
――西宝映画本社ビル。
顔合わせ予定時間の、ちょうど30分前。
「おはようございます。よろしくお願いします」
まずはすれ違う社員達にも、愛想良く挨拶をして案内に続いて入館。会議室を目指す。
会議室に入った後も、
「清水琴乃役、香月瑠奈です。本日はよろしくお願いいたします」
礼儀正しく、ハキハキとした気持ちのいい挨拶は忘れない。
「いやぁ、アオバケのるな様の印象強いから畏まってると違和感あるなぁ」
「やめてくださいよ。あれはそういうキャラですから。
本当の私はこっちです」
スタッフのイジリにも笑顔で愛想良く対応。
――というかこの手のイジリ、今まで散々あったからあしらいにはもう慣れた。
部屋にはまだ、キャストや主要制作陣らしき人物はいない。
まずは徹底的に“礼儀正しくて愛想もいい、気持ちのいい若手”を演じ続ける。
共演者は紫苑以外ほぼ知名度同列な同世代ばっかりだけど、大なり小なり映像経験は全員ある。
だから“1番素人で腰が低い”を植え付けてから、本読みで全てをひっくり返す――それが今日の作戦だ。
今日は映画【水色の僕と君】の初顔合わせ。
そして、本読み、衣装・メイクテストも同日に組み込まれている。
御手洗の運転する車に乗りながら、西宝映画のオフィスビルを目指す。
車線の多い道路の傍には、整然とガラス張りの高層ビルが並ぶ。
すでに忙しく歯車が動き出していそうな気配のする、一流のオフィス街。
その中に、私も組み込まれるのか。
「瑠奈さん。今日は初日にして、一日掛の仕事です。
心してかかってください。」
2時間半が詰まった台本から視線を上げて、バックミラー越しに強気に微笑む。
「任せて御手洗。弱小プロの映像素人なんて舐められ方、絶対しない。
まずは第一印象で殴る。私流のいつものご挨拶だから」
9:00。
――西宝映画本社ビル。
顔合わせ予定時間の、ちょうど30分前。
「おはようございます。よろしくお願いします」
まずはすれ違う社員達にも、愛想良く挨拶をして案内に続いて入館。会議室を目指す。
会議室に入った後も、
「清水琴乃役、香月瑠奈です。本日はよろしくお願いいたします」
礼儀正しく、ハキハキとした気持ちのいい挨拶は忘れない。
「いやぁ、アオバケのるな様の印象強いから畏まってると違和感あるなぁ」
「やめてくださいよ。あれはそういうキャラですから。
本当の私はこっちです」
スタッフのイジリにも笑顔で愛想良く対応。
――というかこの手のイジリ、今まで散々あったからあしらいにはもう慣れた。
部屋にはまだ、キャストや主要制作陣らしき人物はいない。
まずは徹底的に“礼儀正しくて愛想もいい、気持ちのいい若手”を演じ続ける。
共演者は紫苑以外ほぼ知名度同列な同世代ばっかりだけど、大なり小なり映像経験は全員ある。
だから“1番素人で腰が低い”を植え付けてから、本読みで全てをひっくり返す――それが今日の作戦だ。