【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「……勝手に覗かないでください」
「いいじゃない、別に。それよりぃ、香月瑠奈ちゃん好きなの?もしかして、ファンとかぁ?」
「……」
付き合ってる、とは言えない。
かといって、“ファン”と言うのもなんか嫌だ。
不快感を眉に寄せて、ふい、と横を向く。
「あら」と全く意に介さない御伽蘭子は、大渕のメガネのレンズの奥で鳶色の目を僅かに細めた。
「わかる。わかるよ。あの子業界じゃちょっと有名だもんねぇ。
……あれ?もしかして瀬名くんってぇ……、香月瑠奈ちゃんの演技、真似してた?」
「……!なん、……」
思わず反応しそうになった口を、すぐに閉じる。
御伽蘭子はやっぱりそれも気にせず、1人でふんふんと頷き始めた。
「あー、だからか。上っ面。
真似ちゃだめだよ〜。あの子は頭で役を組む超技巧派。
役と自分を完全に切り分けて演技するタイプだもん」
一瞬苛立ちかけて、抑える。
辛辣だけど、批判されたのは俺の演技。
瑠奈を悪く言っているわけじゃない。
あくまで瑠奈はそういうタイプ。
ただそう言っているだけだ。