【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「瑠……っ」
爽真の目に焦りと一緒に光が戻る。
ぐらりと落下しそうな背中を爽真が咄嗟に抱き止めてくる。
引き寄せられた反動で立ち上がると、抱きしめられてるみたいになった。
「……」
「……」
なのに、どちらからともなくさっと離れる。
お互いに目も合わせられずに、気まずすぎる沈黙が流れた。
「……瑠奈」
申し訳なさそうに、戸惑っているように、自信なさげに私を呼ぶ声。
「へっ!?」
なぜか必要以上に心臓が跳ねて、声が上擦る。
爽真の眼前に、真っ赤になっている私。
爽真が驚いたみたいに目を瞬かせて、「……いや、」とまた視線を逸らした。
爽真の耳に、ほんの少しの赤み。
ドキドキとした胸の音が、甘く響いて鳴り止まない。
「い、今、のは……」
何とか空気を戻したくて、ぎこちなく声を押し出す。
「その……演技……?」
顔を見るのも恥ずかしすぎて限界。
それでも、眉を寄せて視線を爽真に持ち上げる。
「……。……や、……」
爽真の眉に余計に力が入って、目もグッと細くなる。
はいかいいえか、なんとも煮え切らない返事。
「……」
「……」
空気はちっとも戻らない。
生ぬるくて居た堪れないのに不思議と嫌ではない気まずさに、微妙な距離を保ったまま黙って向き合っていた。