【続編】ふたりの恋のそだてかた。
「そう、ま……?」
“台詞”
そう言おうとした瞬間、爽真の中で何かがプツリと切れたように顔が近づいてくる。
「……ん、……っ」
余裕なく、押し付けるように触れ合う口と口。
変なタイミングで呼吸を止めてしまったから、胸が苦しい。
唇が隙間なくくっついていて、空気がうまく取り込めない。
机に肘を置いていた手が、ひくんと危険な甘さに反応する。
身を屈めていた爽真が、一度体を起こす。
「……っ、」
戸惑いを隠せないまま吐息を漏らす私を見下ろして、顎を掴んでいた手を頬に滑らせた。
一瞬離れて、またくっついて。
息をするために僅かに口を開けたら、それに応じるように爽真もほんの少しだけ唇を開いて重ね合わせてくる。
口内の空洞に、混じる甘くなった吐息。
「……ん、ふ……」
こんなキス、知らない。
うっすらと目を開けると、まだ熱が走る爽真の瞳と真近に絡む。
それにどうしようもなく胸を締め上げられて、また息が苦しくなった。
「んん……、そ、まっ、……っ」
柔く濡れた感触に、腰が引けて後ろ手をつく。
息継ぎの合間のくぐもった声は届かないのか、爽真は手を緩めない。
それどころか、呼びかけに反応して頬を包む手がより深く私の顔を引き寄せる。
唇を触れ合わせているだけなのに、幾重にも変化する刺激。
頭が真っ白になって、ふっと後ろに仰反ると――
「……あっ」
横向きに座っていたせいで、椅子から転げ落ちかけた。